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2022/1/25(火)開催Webセミナー 「がん3次元培養細胞における イメージング技術の可能性」
第4回ラベルフリーイメージング評価解析Webセミナー
「がん3次元培養細胞における イメージング技術の可能性」を2022年1月25日(火) 14:00~15:00に開催いたします。
本webセミナーでは、「がん3次元培養細胞」に焦点を当て、最前線でご活躍されている研究者の方々を
演者としてお招きし、イメージング技術を活用した研究事例をお話しいただきます。
開催日時 : 2022年1月25日(火) 14:00~15:00
定員 : 500名 ※定員になり次第締め切り
参加費 : 無料
申し込み方法 : 本webセミナーは終了いたしました。本webセミナーに関するお問い合わせは
お問合せフォームまでお願いいたします。
講演内容
「オルガノイド培養を用いたがん研究の最前線」
演者:筆宝 義隆 先生 (千葉県がんセンター研究所)
正常細胞の培養は従来技術的に困難だったが、オルガノイド培養の登場により成体由来の組織幹細胞の長期的かつ生理的な培養 が可能になった。ラミニンを主体とする細胞外マトリックスであるマトリゲルに細胞を埋め込んだ状態で、組織幹細胞が依存するシグ ナル経路を再現する因子の添加により、オルガノイドが各臓器のホメオスタシスを上皮細胞のみで再現するという秀逸な手法であ る。本手法はその利便性と有用性から多くの分野への応用が爆発的に進んでおり、我々も遺伝子改変マウスを代替・補完可能な臓器 横断的発がんモデルの確立を進めてきた。近年ではがん組織への応用も進んでおり、不均一性も含めて元の腫瘍の性質を保持した がんモデルとして、創薬開発および精密医療における有用性に期待が集まっている。本講演ではオルガノイドを用いたがん研究の現 状につき概説し、今後の発展が期待される研究の方向性についても展望する。
「3次元培養による膵癌細胞株の多様性の研究」
演者:石渡 俊行 先生 (東京都健康長寿医療センター)
膵癌は5年生存率が10%程度の難治性癌である。2次元培養では個々の患者さんから樹立した膵癌培養細胞株は類似した細胞形 態を示すが、機能的にはかなり異なっている。私達は膵癌培養細胞株にはE-cadherinが高値でVimentinが低値の上皮系形質の 細胞株と、逆の発現パターンを示す間葉系形質の細胞株があることを発見した。3次元培養で、これらの細胞株のスフェアの形態は 極めて異なっており、抗癌剤の効果にも差がみられた。膵癌細胞は人体内では立体的に増殖し転移しており、3次元培養による膵癌 研究は今後さらに重要となると考えている。
「Cancer Tissue-Originated Spheroid(CTOS)法を用いた薬剤感受性試験」
演者:井上 正宏 先生 (京都大学大学院)
がん細胞を試験管内で薬剤に暴露し、その応答を観察することは、創薬では必須のアプローチであり、また個別化医療への応用も 長く期待されてきた。一方、がん細胞モデルとして長年に渡って汎用されてきたがん細胞株が、必ずしも由来するがん患者のがん細胞 の特性を保持していないこと、従来の初代培養法に基づく感受性試験は精度上の問題があることなどから、新しいがん細胞の調製 培養法が期待されている中で、最近オルガノイド培養法ががん細胞培養技術を飛躍的に進歩させた。ここでは、我々が独自に開発し たオルガノイド調製・培養法(CTOS法)を用いた薬剤感受性試験と、そこから見えてくる様々ながん細胞の特性について紹介する。
演者のご紹介
筆宝 義隆 先生 (千葉県がんセンター研究所 発がん制御研究部 部長)
1994年 東京大学医学部卒
1996年 東京大学第三内科入局(消化器グループ)
2000年 東京大学大学院医学系研究科修了、医学博士
2002年 東京大学先端科学技術研究センター 助手
2005年 コールドスプリングハーバー研究所 博士研究員
2009年 国立がん研究センター研究所 ユニット長
2014年 千葉県がんセンター研究所 部長
石渡 俊行 先生 (地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター研究所 老年病理学研究チーム・チームリーダー)
1986年 川崎医科大学卒業
1988年 日本医科大学 病理学教室 助手
1995年 カリフォルニア大学アーバイン校留学(Murray Korc教授)
2000年 日本医科大学 病理学教室 講師
2004年 日本医科大学 病理学教室 助教授
2016年 地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター研究所 研究部長 老年病理学研究チーム・チームリーダー 高齢者がん研究・テーマリーダー
井上 正宏 先生 (京都大学大学院医学研究科 クリニカルバイオリソース研究開発講座 特定教授)
1987年 大阪大学医学部卒業
1987年 外科研修
1991年 大学院(大阪大学小児外科・大阪大学細胞工学センター)
1995年 大阪大学医学部 医学博士
1995年 非常勤医師(大阪大学小児外科)
1998年 UC San Francisco博士研究員(Douglas Hanahan Lab)
2001年 大阪国際がんセンター(旧 大阪府立成人病センター)研究所 生化学部門 部門長
2011年 大阪大学大学院薬学研究科 招聘教授
2013年 京都大学大学院医学研究科 客員教授
2015年 大阪大学大学院医学研究科 招聘教授
2018年 京都大学大学院医学研究科 特定教授